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ケースも見られた。今事業の実務者予定者研修会において中川健史が述べていたように「手紙や絵葉
書は相手が見捨てられたと思わないために役立つとても効果的なツール」であり、「送り続けること
により何かあったときにこの人に助けを求めようと思ってもらえる」ひとつの媒体として絵葉書が重
要な役割を担っているといえるだろう。
近年になってようやく、こうした返信を求めない絵葉書によるピア・アウトリーチは北海道ひきこ
もり成年相談センターと札幌市のひきこもり地域支援センターでも取り入れられるようになった
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ほか、当NPOで効果を上げていることを知った沖縄県内の団体がこれを取り入れ、専門性だけではな
く感性も大事にした活動展開
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し広がりを見せはじめている。
しかしこれまで社会福祉援助技法としての手紙を特定的に検討した文献資料については、M.リッチ
モンド時代において手紙が訪問の代用となっている実在が指摘されながらも、ソーシャルワーク関連
においてはかなり少なく、その効果を実証していく実践研究レベルに限界があることは事実として受
け止められてきた
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。この現実は今も大きく変化しておらず、それぞれの地域におけるさらなる実
践活動の蓄積が求められる。
謝辞;
本事業にあたっては、長谷川俊雄教授(白梅学園大学)、山本耕平教授(立命館大学)、中川健史
氏(NPO法人仕事工房ポポロ)、岩田光宏氏(前 堺市こころのセンター)、鈴木祐子氏(小樽不登校
ひきこもり家族交流会)にはご多忙のところ示唆に富むご助言ご指導等をいただきましたことに心か
ら感謝申し上げます。
また本事業推進にあたってご協力くださったひきこもり当事者とその家族、関係団体機関の皆さま、
そしてご尽力いただきましたひきこもりピアサポーターの皆さまには感謝の念にたえません。本当に
ありがとうございました。
参考引用文献
(1).NHK「ひきこもりクライシス“100万人”のサバイバル」公式サイトの調査結果を参照。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/hikikomori/
(2). NHK「ひきこもりクライシス“100万人”のサバイバル」掲載の調査結果をもとに筆者が新たに公表した札幌市、
岩手県、鳥取県、愛媛県におけるひきこもり実態調査結果を追加してグラフ化を行った。
(3). 札幌市子ども未来局「平成30年度市民の生活等に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)
」
(2019年3月8
日)
(4).斎藤環「社会的ひきこもり-終わらない思春期」PHP新書(1998年)
(5). 厚生労働省平成29年度生活困窮者就労準備支援事業費等補助金社会福祉推進事業「ひきこもり実態に関するア
ンケート調査報告書」特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会(2018年3月)
(6).田中敦「平成30年度公益財団法人日本社会福祉弘済会社会福祉振興助成金:長期在宅ひきこもり当事者支援向け
家族アセスメントツール開発研究事業報告書」特定非営利活動法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク
(2019年)
(7).「ひきこもりサポーター活用進まず 2014年度以降、派遣1人 栃木県内」
『下野新聞』
(2017年6月13日)
(8).「社会とつながる居場所 津別に引きこもり、心の病患者ら集う施設」『北海道新聞』(2017年12月20日)
(9).札幌市委託事業「ひきこもりに関する集団型支援拠点設置運営業務:通称『よりどころ』」(2018年6月1日)
http://www.city.sapporo.jp/kodomo/ikusei/hikikomori_yoridokoro.html
(10).長谷川俊雄「ひきこもりの現象と援助-孤立と社会参加の困難を手にする若者への支援」岩崎晋也・岩間伸之・
原田正樹『社会福祉研究のフロンティア』有斐閣(2014年)