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最後にQ25.平成30年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業として企画された「ピア
サポーターによる手紙を活用したピア・アウトリーチ開発事業」は総体として満足いただけたかにつ
いては、「とても満足」13人(41.9%)「満足」10人(32.3%)を合わせると74.2%に達した。「どち
らでもない」は7人(22.6%)あったが、「やや不満足」「不満足」はまったくいなかった。
7-4.ひきこもりピアサポーターによる調査結果
次に絵葉書によるピア・アウトリーチ活動を担ったひきこもりピアサポーターに対する調査結果を
述べる。実務者予定者研修修了後はすでに実践活動を有する実務者3名に加え新規者5名が今回の研
修の学びを活かして活動を開始し絵葉書によるピア・アウトリーチ活動を分担して取り組んだ。実務
者予定者研修会は当初計画では7月に行う予定であったが個々の講師の都合や会場の調整で9月にず
れ込んだことから絵葉書によるピア・アウトリーチの募集と実働を早め、すでに絵葉書によるピア・
アウトリーチを担っていた実務者や予定者については前倒しして活動に従事した。
まずQ1-1.ピアサポーター従事者の「性別」については、男性6人(75.0%)、女性2人(25.0%)
であった。Q2.ピアサポーター従事者の「平均年齢」は44.75歳であった。Q3-1.「居住地域」は、札
幌市3人(37.5%)、札幌市以外5人(62.5%)と札幌市以外のピアサポーターが多く占め、絵葉書に
よるピア・アウトリーチが地方圏にニーズがあることからもマッチングできる人員体制となった。ま
たQ4-1.ピアサポーターの職業もパート・アルバイト、自営業、障害者就労継続支援施設を含めた労
働体験を有する人から無職の人まで存在し、昨今、無職者だけではない就労経験からの躓きや挫折に
よってひきこもりが増大していることからそうした人たちの気持ちに寄り添えることが可能となっ
た。さらに加えてQ5.「不登校ひきこもり経験値(経験者はその年数、家族の場合はその対応歴)」
も平均11年と10年以上を有しているほか、同様にQ6.「不登校やひきこもりなどのボランティア等
の活動経験年数」も平均12.25年と10年以上を有していることからも理解されよう。
Q7.
今回手紙を活用したピア・アウトリーチにかかわるにあたってピアサポーターとして当初抱い
ていた感情・気持ちについては、「絵が苦手なので難しいと思っていた」「どんな葉書を書けばよい
のだろうかと手紙の内容について想像できず不安になっていた」「自分には難しいのではないか」を
はじめ、「1名につき月2回葉書にひと言添えることに負担感があった。半年間継続できるかという
不安があった」という、責任を担う役割において相手も自分も傷つけたくないという自己愛的な真面
目さゆえに深く抱え悩み込む姿がある一方で、「ずっとやってみたいことを夢見ていたことだったか
ら『やったー』と思った」「書くことは苦にならないので相手がいることでやりがいがある」といっ
た前向きな気持ちや、とりあえず「できる範囲でやろうと思った」というスタンスも見られた。
75.0
25.0
男性(n=6)
⼥性(n=2)
その他()(n=0)
不明(n=0)
Q1-1.性別N = 8
37.5
62.5
札幌市(n=3)
札幌市以外(具体的に
)(n=5)
不明(n=0)
Q3-1.居住地域N = 8