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履歴書の書き方だとかは一切やっていない。それは地域若者サポートステーション(以下、サポステ)
がやっている。興味ある方に対してはサポステの見学会をしたことはあるが、そこから先はサポステ
で対応してもらう。
その人にとってSSGに参加することがひきこもりのゴールではないがプロセスのうちの一つではな
いかと思っている。
7.当事者・ピアサポーター双方の効果を測定するアンケート調査結果
本事業ではひきこもりピアサポート活動の効果を測定するため絵葉書によるピア・アウトリーチを
利用した当事者(家族)を対象にした質問紙郵送アンケート調査並びに担い手のひきこもりピアサポ
ーターに対する質問紙郵送アンケート調査を併せて実施した。調査は当事者とピアサポーター双方に
行うことでピアサポート活動が本来意図する一方的な支援ではない相互支援(互恵性)を見出すこと
を目的とした。
7-1.調査の実施期間及び方法
調査実施にあたっては、前述してきたように2018年12月の第4回事業推進委員会において調査票
項目等の検討を協議したうえで質問紙郵送アンケート調査票の作成を行い、該当する当事者(家族)
50名並びにピアサポーター8名宛に郵送し2019年1月末までの約1か月間を設定し、専用の返信用
封筒(受取人払い)にて回収してもらえるよう努めた。
また調査票郵送にあたっては事業推進委員会での意見を受け、とくに利用する当事者に向けた調査
票の文面や文字体をはじめ、回答のお願いを呼びかける独自の絵葉書を作成し同封するなど当事者が
答えやすいよう気配りや心配りを行った。申込み者が家族の場合は家族宛に調査票を郵送し、当事者
本人に回答が無理な場合は家族が本人に代わり代弁して無記名にて回答することができるようにし
た。
7-2.倫理的配慮に基づく調査分析
調査票を郵送した結果、2019年1月末(一部2019年2月上旬)までに最終的に回収された有効回
答者数は当事者50名中31名、ピアサポーター8名中8名であった。回収率はそれぞれ当事者62%、
ピアサポーター100%であった。
回収された有効回答者数のすべての調査データはMicrosoft Excel2016のスプレッドシートに入力
して、SSRI量的アンケート集計・分析ツールBellCurve hidekichi Dplus,株式会社社会情報サービ
スのコンピューターソフト・ウェアを使用して解析、各設問の単純集計に加えクロス集計、平均値集
計を実施した。なお統計分析のソフト・ウェア上、複数回答や端数処理関係で各項目の合計が100%
にならない場合がある。
また自由記述回答の設問(FA)についてはテキストマイニング法(TM法)による質的研究を取り入
れトレンドサーチ2015,㈱社会情報サービスのコンピューターソフト・ウェアを用いて文章データか
らの重要語句の抽出とその関連性を可視化する解析処理を行った。
テキストマイニング法とは、回答されたアンケート調査票に記載された文章からなるデータを単語
及び用語(ターム)、文節で区切り、それらの出現の割合や共出現の相関関係、出現傾向、時系列な
どを解析することで有用な情報を導き出すテキストデータによる統計分析方法である。
郵送調査は一般社団法人日本社会福祉学会研究倫理指針に従い、ひきこもり当事者本人やその家族
の了解のもと個人や地域、所属先などの情報が特定されないよう十分配慮しながら実施した。