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年代は地域の子育てや教育の運動が各地であって、今私たちのところでも学習支援やっているが、そ

の源流は私の中では「どぶ川学級」になっている。 

 

1-2. 困難に置かれる働き盛りの若者たち 

今私が関わっている人たちは10代の不登校の子どもたちから20代~50代まで、ひきこもりで高年

齢の人たちは今50代でいる。私は今63歳だが、あまり私と年齢の違わない当事者の人たちがたくさ

んいる。それから不登校の子どもたちがいるので不登校の親世代が30代~40代である。そしてかつ

て働き盛りで社会の中心的な存在だった30代~40代の人たちが今もっとも困難な状況に置かれてい

る。2010年子ども若者育成支援推進法が施行された。それではじめて概ね39歳くらいまでの人たち

の問題をそこでカバーできるようになった。それから生活困窮者自立支援法が今から4年前にできた

が、この法律もそうした人たちをカバーすることになっているが、例えば中年期の政策が日本には存

在していない。その人たちの保障が何もない状況で今基本的にもっとも大変な世代となってしまった。

 

 

2. つながり・出会い・居場所-出番と役割- 

仕事工房ポポロで常に意識している活動の4つの柱は、今日のテーマにもなっている「つながり、

出会い、居場所」だと思っている。その後「出番」と「役割」というのもとても大きな柱だが、今少

子高齢化が進み、結婚もできないわけだから、少子高齢化の問題は彼ら彼女らの問題でもあるけれど

も、一番大きな問題は企業の論理でいうと儲かるところには仕事をつくりそこに人を投入して利益を

上げながら拡大再生産をしていこうというスタイルである。 

そこに働けない若者たちを送りこもうというのが就労支援の基本的な流れだが、私は基本的にそう

いうことではなく、少子高齢化が進んでいる中で大きな間違いだったのは、困っているところに仕事

がつくられていないということだ。私たちの住んでいるところでも山間部へ行くと限界集落みたいな

ところがいくつもあって、ほとんどが70代~80代の高齢者ばかりが住んでいる。そこに実は本当の

地域の困りごとがあるにも関わらず、そこを何も手当てをしてこなかった。つまり若者たちが働かな

いでひきこもって悶々とした生活をしている状況の中で、彼らの「出番」をつくってこなかったので

はないか。だから仕事をつくるときには、彼らが今一番必要とされているところに「出番」をつくる

ことを地域の人たちは意識する必要があると思っていて、出番があればそこに必ず役割が生まれる。

そこがとても大事な要素だと思う。高齢で寝たきりになってしまうお年寄りは生産性という点ではゼ

ロだ。子どもたちも働いていないから生産性はゼロだ。でもその人たちに価値がないのかといえば決

してそうではなく、そういう寝たきりになった人たちが各地にいるところが、その人たちがいるがゆ

えに介護の制度ができ、そこに施設がつくられそこで働く人たちの仕事が生まれる。つまり役に立た

ない人は一人もいなくて、できる人もできない人もいるし凸凹はみんな持っている。その凸凹をお互

いにカバーし合いながら一緒に生きていこうというのがとても大事だと思っている。 

 

2-1. これまで出会った孤立した若者たち 

「つながり、出会い、居場所」について今日は主に話したい。私がこれまで出会った孤立した若者

たちということでいくつか紹介したい。基本的にひきこもっている人たちだが、Oさんは40代で一人

暮らしをしておりリーマンショックで仕事を失いSOSの電話が入りしばらく岐阜で生活していたが結

局名古屋に戻られて愛知県の貧困ビジネスと呼ばれるアパートに入居させられ生活保護の受給をし

て十数万の生活保護費の中から2万5千円くらいのお小遣いをもらいながら暮らしているところで、

そこから脱出させ一人暮らしできるようにサポートをした当事者である。 

私たちがニュースレターで気をつけているのは、スタッフが結婚することがあって3年~4年前に

小さい記事を載せたことがある。そしたらOさんが怒って電話をかけてきて、「何であいつに結婚で