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う受け止めてよいかわからない。お願い、助けてほしい。今私から何と言われたら一番楽ですか」こ
のように本人に聴いている。本人は「援助職は何でもわかっていて、親にはできないアドバイスがで
きると思っていた」というと「それは幻想だよね。ただ知恵を出し合うことしかできないんだ。相談
という二文字は昔、四字熟語だった。二文字分短縮された。本来は『相互談義』なんだ」と私は答え
る。つまり「相互談義」が短縮されて「相談」になった。相談は誰かが誰かを助けるという上下関係
ではなく困っていることをお互いにディスカッションすることが「相談」なのだ。おそらくピアの関
係はもっと豊かに「相談」ができるのではないかと思う。
3-1. 居場所をめぐって
私たちは「組織・集団」か「孤立」か、どちらかにいなくてはいけない。ゼロか100かみたいな世
界だ。いきなり内から外へ飛び出そうとするからきつくなる。日本は決定的に中間的な組織集団が少
ない。あらゆる人にとって中間的な組織があればよいのだがない。私は精神科クリニックにいたとき
に神奈川県庁と横浜市役所の嘱託ソーシャルワーカーとして多くの鬱の公務員をみてきたが、その人
たちの多くは、中間的組織集団がまったくない。サークルに入っていると友だちがいて日曜日に遊び
に行くことができるとか、地域の自治会で何とかしているとか、そういう人たちは豊かさを感じてい
るというと言い過ぎかもしれないが、中間的組織集団を持っていることの効果があったのだろう。集
団で上手くいかなくなると居場所、サードプレイスが大事で、中間的組織の範疇に入るメールや手紙
もそうなるのではないかと考える。
私は横浜市で居場所をやっているが、今まで居場所というと、強い結びつきを求める場所だとか、
継続することを求める居場所だとか、発言力が大きい本人が仕切る居場所とか、次の場所へ移行させ
ることを目的とした居場所とかがある。さらに意図的な居場所があるが、そうではなく意味や価値や
目標を前面に出さない居場所が必要だ。目標を掲げないで緩やかで前のめりにならない居場所づくり
が大事だと思っている。
上手くいっている自助会、上手くいっていない自助会がある。割田大悟さんともよくディスカッシ
ョンをしているが、割田さんの居場所が成功しているのはフォームがあるのだが、意味、価値、目標
を前面に出さない居場所を本人たちに任せるという姿勢を徹底的に大事にしているからだ。組織や場
の目標とはせず、強要しないことが大事だ。
3-2. あそび・まなび・ケア・つながり
私は居場所の要素を考えていて、ひきこもりだけではないが居場所を検討するときに4つの要素(あ
そび、まなび、ケア、つながり)で検討している。遊びが少ないとか学が少ないとか居場所で違って
くる。居場所のもつ性格や特徴によって4つの要素の組み合わせの割合が変わる。だからひきこもり
の居場所もこのような4要素で分析をしてみるとどうなるのか。やはり偏りがない方がよいと思って
いる。
居場所が「学校化」することがある。居場所に行ったら苦しくなったという人たちがいる。4つの
P「遊び」
「情熱」
「計画」
「仲間」という4つの要素がある程度生き生きとしているときに創造性を変
えていくことができる。そうしたものが生み出されて、常に居場所はアメーバーのように形を変えな
がら前に行ったり後ろに戻ったり横に行ったりしながら、だけどそこの新鮮さを保たせるのが私のも
つイメージだ。間違っても居場所をつくるときにリーダーを誰にするかとか、この居場所のルールを
決めようとかすると一気に居場所にならなくなる。
居場所というのは、カオスの状態が普通だ。渾沌としている。つまり多様性(ダイバーシティ)を
認めている。いろんな価値があってよいし、いろんな感じ方があってよい。だけどカオスはすぐ混乱
する。混乱するからルールがほしくなるけれど、ルールではなく整序への働きかけをするのだが、い