北海道地域福祉研究第13巻掲載

掲載日:2010.03.31

田中 敦「引きこもり支援に必要な自助グループの考察」pp.62-68

[要旨]
 社会福祉の観点からも「引きこもりの現状」を見極めたうえでライフステージに即した支援を考えることは極めて重要であると言える。特に、「引きこもりの現状」のなかで特に「年齢」は引きこもり者が加齢に従い気にかかる要因であり、支援をすすめるにあたっては彼らのそうした自尊感情を損なわない支援が求められる。
 多くの引きこもりが労働、仲間、生活を失なっている若者であるとするならば、引きこもり者の仲間づくりを支援し、労働に参加するための手だてと意欲を高め、生活力形成を促進する援助をすすめなくてはならない。そのためのベースキャンプとして自助グループがあると言える。
 また「当事者が当事者を揺り動かすこと」の可能性を自助グループがもっている。これが、人と人とが『響き合う』関係性だとすれば自助グループは、疲れた心身を休め、仲間との共感と理解を得て、また再び歩み出す力を蓄積する場である。そこでは自分だけでは気づかなかった、わからなかった、自分自身の新たな発見を与えてくれるのである。

keywords;引きこもり、自助グループ、自己肯定、響き合う仲間づくり、主体的側面に立つ