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活動コンセプト

活動コンセプト

当事者たちは「こころの痛手」をもち「年齢の壁」にさらされ、「社会経験の不足」から立ち竦み、冷ややかな「世間の目」にさらされています。

当NPOが行うピアサポート活動のコンセプトは、こうした当事者一人ひとりの苦労を分かち合い希望を見出す実践としてそれぞれの当事者の「セルフケア」を第一に考え、当NPO活動で「小さな肯定体験」を蓄積し、そこで出会った仲間との「支え気付き合い」を得て当事者の思いを伝える「理解啓発」活動に努めています。

当事者主体によるピア・サポート活動

当事者主体によるピア・サポート活動

3つのパラダイム

今日のピアサポート活動は大別して在宅活動居場所活動社会参画活動による3つのパラダイムによって行っています。可能な限り個々の当事者のニーズを汲み取るなかで事業展開をすすめ、当事者とピアサポーター双方が無理のない関係性づくりを基本に実施しています。

当NPO設立20周年を契機に、従来単体で実施してきた在宅活動、居場所活動、社会参画活動を複合的に実施する事業展開を行っています。詳細は各ページ内にあるコンテンツをご覧ください。

在宅活動
  • 手紙(絵葉書)によるピア・アウトリーチ活動
  • 会報「ひきこもり」刊行 年6回隔月発行
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居場所活動
  • 当事者会「SANGOの会」初心者及び通常例会月2回
  • 居場所「よりどころ」当事者会・親の会月各2回
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社会参画活動
  • 中間労働、DM便発送や資料印刷製本作業(有償)
  • 労働団体との協議 個々人へのきめ細やかな対応づくり
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これまでの流れ

当NPOでは、2014年度に北海道の広域圏地域特性を活かすひきこもり地域拠点型アウトリーチ事業をすすめるにあたって、その重要なかなめとなるひきこもりピアサポーターの養成研修事業を北海道内では、はじめて北海道内7ブロックに分けて開催してきました。

また現実に見合うアウトリーチの方法・技術を開発していくため、2015年度にはひきこもりピアサポーターによる手紙を活用した効果的なアウトリーチ実践研究事業、2016年度には調査研究事業としてひきこもりピアサポート実践者6名を全国から招聘した当事者参画型ひきこもり支援者養成研修プログラム開発モデル事業を行い、「それぞれの経験的知識がつなぐひきこもりピアサポート」の今後あるべき方向性について検討を加えました。

さらに2018年度にはひきこもりピアサポーターによる手紙を活用したピア・アウトリーチ開発事業を実施し、より実践的な試みも行いました。 しかしその一方では、2013年度厚生労働省がピアサポートを含むひきこもりサポーター養成研修・派遣事業がひきこもり対策推進事業の拡充によって国の施策として導入された以降、実態としてマンパワー養成という言葉だけが先行してしまい、当事者のみならず一般市民からもひきこもりに特化した新たな援助職としての資格認定という語弊を招く結果をもたらしています。

そうしたなかで、北海道ひきこもり成年相談センター、札幌市ひきこもり地域支援センターと私たちNPO法人、さらには全国ひきこもりKHJ家族会連合会北海道「はまなす」が構成メンバーとなり2015年12月にひきこもりサポーター養成協議会が発足しました。ここでは年1回ほどひきこもりサポーター養成協議会を開催し、ひきこもりピアサポートを含むひきこもりサポーター養成のあり方の検討をすすめており、これまでの会議ではひきこもりピアサポートの研修とひきこもりサポーターの研修は基本的に分けて行うことや、ひきこもりサポーターについては人材養成ではなく地域社会における理解啓発的な目的として動画配信を活用した研修を実施し、ひきこもりピアサポートの研修については、実務者を基軸に経験のエキスパートとしてさらにサポート機能のスキルアップを図ることができる内容にしていくといった検討が出されています。
今後ひきこもりピアサポート活動がそれぞれの地域において根差されて展開していくためには当事者を中核して家族や支援者(専門職)との協働は欠かせません。そうしたトライアングルによる協働としての仲間づくりが求められています。